そろそろ新生活のリズムを整えたい

http://www.mainichi-msn.co.jp/geinou/news/20050420k0000e040075000c.html

丹羽文雄さん死去:
人間の本性見つめ 後輩作家たちが悼む
 人間のありようを深く見つめ、そのエゴを鋭く描き出した作家、丹羽文雄さんが亡くなった。100歳。戦前戦後を通じて書き続け、文壇の中心として活躍した小説家の死を後輩作家たちが悼んだ。

 (中略)

 生家の寺を継ぐのを嫌い、文学への道へ進んだ丹羽さん。戦前は、「甲羅類」や「愛欲の位置」など人間の愛欲と煩悩(ぼうのう)を書いた作品を多く発表。「愛欲作家」と呼ばれ、戦時下には制約を受け、発禁になった作品もある。

 戦争を経て、創作意欲はますます高まった。しかし、戦前の方向とは違い、戦争を経て深く人間の本性を見つめるようになった。やがて煩悩から罪の意識を自覚するようになり、ついにはライフワーク「親鸞」に到達した。

 一方で、丹羽さんは約20年前から認知症状態となり、作家としての創作活動には終止符が打たれてしまった。しかし、この病と闘う模様を長女の故本田桂子さん(01年4月死去)が「父・丹羽文雄 介護の日々」で明らかにし、テレビのドキュメンタリー番組でも紹介されて、話題になった。

 有名人の場合、認知症を明かすのはタブーに近い。世間に積極的に知らせる例は日本ではあまりない。それをこの本は描写した。書けなくなった丹羽さんがある日、書斎で原稿用紙に「丹羽文雄丹羽文雄」と書き続けていた場面など、作家の性(さが)を見せつけて世間に衝撃を与えた。

 ◇多彩な文学活動 

 ▽文芸評論家、川村湊さんの話 私小説からスタートし、戦記物、風俗小説、宗教小説など多くの作品を残した。昭和文学のさまざまな側面に深くかかわった人です。特に風俗小説では石坂洋次郎と並んで活躍し、菊池寛以降の最大の存在でしょう。私財を投じてつくった雑誌で作家や評論家を育てるなど、パトロン的役割を果たした作家としても最後の人でしょう。

毎日新聞 2005年4月20日 13時55分

 失礼ながら、まだご存命だったとは・・・。
 高校生くらいのときにまだ生きていたのかと驚いた記憶が。ご息女が先になくなられているとは。
 調べてみたら太宰治井上靖より年上、つまり先に生まれていたらしい。