日本語〈上〉岩波新書
先日なくなった[金田一春彦]の名著の一つ。
言語学専攻の人間からすればいまさら、という謗りもあるかもしれないが・・・。
なんにしても文句なく名著といえる。
高度な内容を専門でない一般の人たちにもわかりやすく論じている。
こういう当たり前でないことを当たり前でない言葉で説明することは難しいことだ。
難しいことを難しい言葉で言い換えるのはたやすいが、[トートロジー]に過ぎない。
特に最初の「世界のなかの日本語」「発音から見た日本語」は要するにタイポロジー、[言語類型論]の入門だ。
そうしてみると非常にわかりやすい。
次からはこれを勧めてみようと思う。
特に後半の語彙は日本の文化や考え方と結びつけた論考だ。
特に自然関係や恋愛関係の語彙に関する論考が秀逸。
鈴木孝夫と並んで高校・大学入試や公務員試験でもよく出題されるのもむべなるかな。