訃報

訃報:西郷信綱さん死去 「古事記」「万葉集」の研究者
 「古事記」や「万葉集」などの古代文学研究で知られる国文学者で、文化功労者横浜市立大名誉教授の西郷信綱(さいごう・のぶつな)さんが25日、急性心不全のため川崎市内の病院で亡くなった。92歳。葬儀は30日午後0時半、川崎市多摩区南生田8の1の1の春秋苑。喪主は妻みち子(みちこ)さん。

 大分県生まれ。東大国文科卒。文芸評論家の丸山静さんらと「アララギ」の短歌に傾倒。戦後「貴族文学としての万葉」などの著書を通して、それまでの国文学研究を批判。作品を社会と時代全体の中でとらえ、歴史社会学派の旗手として活躍した。ロンドン大教授も務めた。

 75年から古事記の注釈に取り組み、89年「古事記注釈」(全4巻)に完成させ、角川源義賞を受賞した。95年文化功労者。他の主な著書に「万葉私記」「源氏物語を読むために」「古代人と夢」「斎藤茂吉」など。

毎日新聞 2008年9月26日 23時23分
http://mainichi.jp/enta/art/news/20080927k0000m040139000c.html

 大往生とはいえ、残念。理論的な言語学研究もいいが、地道な思考や人生に裏付けられた文学研究もあこがれる。