英語青年を引き続き読む

 斉藤兆史先生の文章が印象に残る。

 教育というものは、それぞれに個性を持った教師と生徒の間で発生する複雑な力学である。個々の教育現場の状況に応じて様々な教授法・評価法を使い分けるという発想が、これからの日本の英語教育改善の鍵となるだろう。正確な英語が話すことができる教師は、授業のなかでどんどん英語を使って指導をすればいい。文法の知識に自信があるなら、文法を中心にした授業を展開すればいい。文法を気にしすぎて発言が控えめな生徒には、必要以上に文法を気にするなと言ってもいいだろうし、度胸だけで英語を話す癖のついた生徒には、訳読を通じて丁寧に英語を理解・運用するような指導をすべきであろう。生徒の総合的な英語力を伸ばすために教師は多彩な授業を展開すべきであり、また総合的な英語力を判定するためには、英文和訳も含め、多様な試験問題があってしかるべきである。
 
英語青年10月号P24