東洋学の系譜 上下
しばらく涼しかったのだが夏のように暑い。
研究室ではクーラーがききすぎ。
何事も中庸が肝心であろう。
図書館でまた本を借りてきた。
江上波夫著の東洋学の系譜上下巻。大修館書店から。「しにか」連載をまとめたもの。
なかなか豪勢な面子を扱っているのに眼を奪われる。
那珂通世、白鳥庫吉、内藤湖南、津田左右吉、羽田亨、今西竜、小倉進平、貝塚茂樹・・・。
白鳥庫吉は日本語と朝鮮語の系統を扱ったし、内藤湖南は最初に高句麗の地名に日本語と似たものがあると発見した人だ。
それぞれ邪馬台国九州説、近畿説を提唱したことでも知られる。
20世紀の初頭までは言語学と歴史学は分かれていない。
今では歴史言語学という一分野に押し込められ、言語学の主役の座を退いてからも久しい。
本当の大物は、一人で何でもやっている。
アリストテレス、デカルト、バートランド・ラッセル・・・。
近年の行き過ぎた知の細分化には疑問を感じる。