危機言語

八丈島(人口約8200人)に残る「八丈語」(島言葉)を受け継いでいこうと、町立三根小学校の6年生33人が6日、保護者や地域のお年寄りらを招いた学芸会で、八丈語を使った演劇を披露した。使い慣れない島言葉のセリフを児童がたどたどしく話すたびに、観客席のお年寄りからは拍手があがったり、笑い声が漏れたりした。

 6年生がこの日披露したのは創作民話「くさむらのぢーやん」。八丈島で普段気になっているものについて、物知りのおじいさんが島言葉で教えてくれるというストーリーだ。約1年かけて自分たちで物語を考え、セリフを地域のお年寄りに島言葉に訳してもらって、練習を重ねてきた。

 島では今、50代以下の人は島言葉を話せない人が多い。そのため、登場人物が島言葉のセリフを話してもうまく伝わらず、観客席前列のお年寄りだけが笑ったり、手をたたいたりする場面が見られた。

 大沢ナルミさん(77)は「懐かしい島言葉を聞けてうれしかった。孫に尋ねられれば、もっと島言葉を話してあげたい」。持丸美子さん(76)も「島言葉は大切な文化だと改めて感じた」。

 6年生に島言葉を指導した沖山章さん(74)は「島言葉に直したセリフは130カ所。島言葉が話されなくなって、ずっと残念だと思っていたから、こういう機会をぜひ大事にしてほしい」。

 演じた大沢晃盛君(11)は「島言葉は発音が難しかったけれど、お父さんがまだ少し話せるので、これからもしっかりと勉強していきたい」。

 島言葉を積極的に語り継いでいこう試みが始まったのは、2009年の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の調査で、八丈語が「消滅危機言語」と指摘されたのがきっかけ。島では今後も学校教育で島言葉を使った授業を展開するほか、3月には島言葉を使った方言カルタでカルタ大会を開催する予定だ。

http://www.asahi.com/edu/news/TKY201102070210.html#_

 「八丈語」ってはてなキーワードになってるんだな。
 http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%AC%BE%E6%B8%EC