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「電子書籍をめぐる言説はネガティブなものが多いが、電子書籍の登場は昨日今日の話ではなく、何年も前から予測できていたこと。今回は実験だから失敗するかもしれないが、電子書籍の新しい局面を作り上げるための第一歩としたい。著作権や肖像権のあり方も今後大きく変わらざるを得ないが、紙か電子かと幼稚なことを議論している場合ではない――」。
講談社は、京極夏彦氏の新刊書籍『死ねばいいのに』を、四六判ハードカバーの刊行とほぼ同時に米アップルの「iPad」向け電子書籍として発売する。著者の京極夏彦氏は出版発表の記者会見で冒頭のように語り、出版の電子化という潮流に先陣を切って飛び込んでいく決意を示した。
日本国内での電子書籍をめぐっては、新しい分野ゆえに手法が確立されていない点も多い。例えば、現行の印税に代わる収益分配モデルの模索、共通の日本語組版フォーマットの策定、出版社や印刷会社、取次、書店などのいわゆる「中抜き」問題、版面権など著作権のあり方、といったものだ。京極氏は、まずは実験的に電子書籍を出版して、それらのあり方を探っていくべきだとの認識を示した。
ヤン・ウェンリーの時代まで紙という媒体は現役かと思っていたけれど・・・これはわからんかもね。