今月の中公新書がガチな件

 けっこう話題に。さすが2000件。

中公新書
5月の新刊

 爽やかな日もあれば、夏を思わせる日差しの日もあり、また、梅雨の接近を感じさせる日もあるこの頃です。中公新書は、5月の刊行分7点で、通巻2000点に達しました。みなさまのご支援のおかげと、深く感謝いたしております。
『キリストの身体』は、『マグダラのマリア』『処女懐胎』に続く、キリスト教図像学三部作の掉尾を飾るものです。今回も、美しいカラー口絵で、西洋人の意識と行動の底流を探ります。
『現代哲学の名著』は、中公新書の「名著」シリーズの久々の新刊です。定評のあるブックガイドで、現代哲学のテクストにアプローチしてください。これから、「日本哲学」「近代哲学」と続篇を準備中です。
 戦後世界においてもっとも本質的な変化とは何だったのでしょうか。『戦後世界経済史』が、「自由」と「平等」を切り口に、大きく俯瞰します。市場化から生じた大小さまざまな変化をわかりやすく描く大冊です。
 中国古代の戦国時代は、その時代を規定するルールが弱まり、どんな時代だったのかを把握することが難しいと言われています。『孟嘗君と戦国時代』は、歴史小説の第一人者による待ち望まれた入門書です。
 アメリカがどんな文化を持ち、アメリカ人が何を考えているのか、これまでもさまざまに語られてきました。『ハックルベリー・フィンのアメリカ』は、マーク・トウェインの作中人物の思考と行動が、いかにアメリカ人の本質を表わしているかというポイントから、アメリカ文化の核心に迫ります。
 多くのことが明らかになればなるほど、不明なことも増す現代。そこに鮮やかな分析と指針を示すのが『疾走する精神』です。マクロからミクロへの自在な知の縦断を行なう筆致に魅了されることでしょう。
 日本の大学黎明期を精緻に追う二巻本『大学の誕生』の上巻は、明治初年の「東京大学」誕生から帝国大学の成立と変化、またそれに対抗するように生まれた専門学校の展開を跡づけます。
 
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