一言語学者の随想
いろいろ調べ物していたら「服部四郎のブログ」なるものが見えて一瞬びびったが、よく見たら「岸部四郎のブログ」だったよ。
「薄さ **** mm」という表現を気にする人は英語圏にもいるらしい
「薄さ **** mm」という表現は、薄さを強調したい局面でよく使われる。が、「正しくは『厚さ **** mm』じゃないの?」という議論もまた多い。
JWSTのメモを書いているときにちょっと調べたのだが、これは日本語圏だけの傾向ではないようだ。JWSTの元ネタの記事では、厚みについての記述は "one to two-thousandths of an inch thick"(つまり、厚さ1-2/1000インチ)となっている。
一方で、"hogehoge inch thin"(薄さhogehogeインチ)という表記もまた、(日本と同様に)ノートPCやFPDテレビといった、薄さを強調したい製品の場合には見かける。数は多くないが、稀というほど少なくもない。
そんな記事の一つがEngadgetにある。パナソニックのPDP製品を "1-inch thin" と紹介するものなのだが、この記事には、こんなツッコミコメントがあったりする。英語圏ネイティブの感覚は私にはよく解らないが、あちらでも厚さを「薄さ」で表現することについて気にする人はいるということのようで。オモシロイデスネ。
「1メートルの長さ」とは言うけど「1メートルの短さ」とは言わないよね。「30℃の熱さ」とは言うけど「30℃の冷たさ」とは言わないよね。「60キロの重さ」とは言うけど「60キロの軽さ」とは言わないよね。
原則「数字が大きい=よい」ほうが無標なんだろうけど、この場合は「薄い=よい」からありうるんだろうね。