パパママワード

赤ちゃん:初めて話す言葉…1位は「まんま」
 赤ちゃんが初めてしゃべる言葉は「まんま(ごはん)」「おっぱい」「いないいないばぁ」の順−−。NTTコミュニケーション科学基礎研究所(京都府精華町)は、インターネット上に設けた子育て日誌コーナーを基に、幼児が最初に使い始める上位50語をまとめた。子供を取り巻く関係や発達過程を調べる試みで、札幌市で19日から始まる日本心理学会で発表する。

 子供がいつ、どんな言葉を話したかを書く個人ページ「赤ちゃん成長ダイアリー」を用意。生後10カ月〜3歳の子供を持つ親398人が07年4月から今年2月までに記入したデータを分析した。

 その結果、「まんま」が最も早く平均1歳3カ月半だった。個人差もあり、話し始めた時期は生後10カ月〜1歳8カ月とばらつきがあった。50位は「大きい」で平均1歳11カ月だった。家族を指す言葉では、ママは4位、パパは8位。一方、じいじ(おじいちゃん)は24位、ばあば(おばあちゃん)は37位と、祖父母では男女逆転していた。また、アンパンマンが21位に入ったほか、食べ物ではバナナ(19位)、お茶(25位)、ミルク(38位)の順だった。

 50語を分類すると、あいさつなど社会的な言葉が16語と最も多かったほか、普通名詞13語▽性質を示す言葉8語▽家族など人を示す言葉6語▽動作語4語▽代名詞・疑問詞3語−−と、早い時期からさまざまな種類の言葉を使い始めることが分かった。

 また、名詞が動詞の約5倍多かった。海外などの研究によると、韓国や中国では名詞は動詞の2倍程度、英語圏では約12倍とされ、日本はその中間にあたるという。

 小林哲生研究員は「英語圏では親が早くから物の名前を覚えさせようとする一方、アジアでは情緒的な共感を重視する傾向があるようだ。文化圏ごとの育児スタイルの違いが、幼児の言葉にも影響しているのではないか」と説明する。男児と女児では言葉の出現が異なるかどうかも今後分析する。成果の一部はホームページ(http://labs.baby.goo.ne.jp)で公開している。【山田大輔

 ◇赤ちゃんが最初に話す上位20語◇
(NTTコミュニケーション科学基礎研究所の調査による)

(1)まんま(ごはん)(2)おっぱい(3)いないいないばぁ(4)ママ(5)はーい(返事)(6)ワンワン(7)ねんね(8)パパ(9)バイバイ(10)よいしょ

(11)どうぞ(12)お母さん(13)お父さん(14)ニャンニャン(15)くっく(靴)(16)ある、あった(17)痛い(18)ないない(片付ける)(19)バナナ(20)ブーブー(車)
http://mainichi.jp/select/today/news/20080919k0000m040133000c.html

 ヤコブソンの言う通りというか、ヘロドトスの言う通りというか。

 歴史家ヘロドトスの伝えるところによると、紀元前七世紀のエジプト王プサメティコス一世は、生まれたばかりの二人の赤子を羊の群といっしょにし、一言も言葉を掛けないようにして育て、赤子がどの言語を初めて話すようになるかを調べるように命じたとされている。赤子が最初に発した単語は bek耀で、紀元前七・八世紀の小アジアで話されていたプリュギア語でパンを意味する。これによりプサメティコス一世は、プリュギア語を最も古い人間の言葉であるとしたという。
http://lapin.ic.h.kyoto-u.ac.jp/subaru/subaru1.html