ラブリーフレンドシップ

 史実を歩く (文春文庫)読了。
 吉村氏が戦艦武蔵を書いたとき、「なぜ長崎弁を使わなかったのか」ときかれたらしい。

 なぜかと言うと、私には自信がなかったからである。方言のこわさを知っている私は、東京で生まれ育った身として正しい長崎弁を駆使することなど、絶対に不可能であるのを知っているからである。
 (中略)
 方言には、底知れぬ奥深いものがひそんでいるのを感じる。私が、たとえ地方の方言を徹底的に調べて小説の会話に使っても、その地方の人が読めばだ上っ面だけをまねた奥行きのないものに思うはずである。私には、地方の方言を小説に使うことなど恐しくてできないのである。(170-171ページ)

 江戸時代のある地方の何月何日何時頃の天気まで調べる先生がここまで言うとは・・・。
 平気で「ぞなもし」「ぜよ」「ずら」などと使っていた自分を恥じる次第だ。
 ステレオタイプというか、役割語かねえ。
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 エセ関西弁使うと関西の人には突っ込まれますね。大阪の人の前で「なんでやねん」を連発して山田花子のものまねしてたら不愉快がられたこともある。漫画とかで適当な関西弁使うといっぱい抗議の手紙が来るらしい。