美しいとはなんぞ

2008年2月にロシア帝国からの独立90周年を迎えるエストニアで、「世界で最も美しい言語コンテスト」が開催される。バルト通信(BNS)が19日伝えた。

 コンテスト開催にあたって、トニス・ルーカス(Tonis Lukas)教育科学相は、各国の教育担当大臣に、自国の児童に同コンテストへの応募を奨励するよう要請した。コンテストに参加するには、最大で7つの単語から成る文章を録音して応募する。

 ルーカス教育科学相は「独立90周年イベントのなかで、他国の人々の耳に、われわれの国の言語がどのように響くのかを知り、世界各国からの参加者と友好を深める喜ばしい機会だ」と述べた。

 同教育科学相によれば、「かつて開かれた美しい言語世界大会でエストニア語は、『soida tasa ule silla(橋の上をゆっくり進むという意味)』という文章で、イタリア語に次いで2位になったことがある」という。

 エストニア語は、フィン・ウゴル(Finno-Ugric)語派の1つで、欧州言語の大半が属する言語グループとは異なる。エストニア語人口は世界で約110万人といわれ、その大半の約95万人がエストニアに在住する人々だ。このほか、隣国フィンランドをはじめ、ロシアやスウェーデン、ドイツ、北米、オーストラリアなどの一部で、エストニア語を聞くことができる。

 1918年2月24日、エストニアロシア帝国からの独立を宣言したが、第2次世界大戦中に再び旧ソビエト連邦に併合された。その後、1991年のソ連崩壊に至る経緯のなかで再び独立を宣言し、ソ連もこれを承認した。2008年2月24日は、ロシア帝国からの独立宣言から90周年にあたる。

 エストニアにとって、母国語の保存は、ロシア帝国の統治下に置かれていた19世紀から現在まで同国政治が固持してきた抵抗の歴史の一部であり、現政府の政策でも中核を占める。

 エストニアは2004年、27か国が加盟する欧州連合EU)への加盟を果たした。その後、同国言語はEU公用語の1つとなっている。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2314805/2374362