疲れが出る

 そして現在、チョムスキー理論も、豊穣な言語事実から浮いてしまって、あまりにも抽象的・理論的になりすぎたため、陰りが見えはじめたように思われる。結局、理論はすたれるが、言語事実に深く根ざした研究は生き残るのだ、という感が深い。
 このような時期にこそ、われわれは言語研究の原点に立ち返る必要があるのではないか。わたしが『文法の原理』の新訳にとりくんだ所以は、ここにある。
文法の原理〈上〉 (岩波文庫)のp376より 安藤貞雄

 中巻は6月発売予定らしい。 
 偶然だが原著のリプリント版もアマゾンで注文していてまもなく届く予定。