珍しい言語表現?

 最近出版されている、必ずしも学術研究を対象としない学習者用の辞書や参考書を見ていても、コーパスを利用して信憑性の裏づけをしていることが多い。
 文系の学問は一般に判断の基準が難しいことが多いが、ある言語形式の頻度の数量を示せれば「頻繁に使われる」「まれな用法」など判断の検討が可能になる。 
 自分の直感だけにしたがって「自分はこの表現を初めて見たから珍しい」などと述べているのを見ると、少々意地悪かもしれないが、「何を根拠に言っているのですか。あなたはそんなに偉いのですか」とでも聞いてしまいたくなる。
 少なくとも自分であれば具体的な頻度や、その用法の起源やその成立背景ぐらいは調べないと気がすまない。