対照言語学

 二つあるいはそれ以上の言語を比較対照するのは言語学徒には楽しくてたまらない。しかし単なるエッセイ以上の実りある言語学的研究であるためには比較をするための明確な基準やものさしが必要である。
 それは形式か意味のどちらかに基づいて一貫していなければならない。形式、つまり統語論や形態論的な基準は定義が比較的容易であるが、意味論や語用論は難しい。それぞれの言語の社会的・文化的要因も絡んできて一筋縄ではいかない。